NASAの探査機ドーン セレス(ケレス)とベスタの最新画像と全文翻訳

NASA(アメリカ航空宇宙局)の公式発表記事を意訳を避けできるだけ忠実に翻訳します。

2016.09.02:セレスの氷の火山やクレーターが物語る過去

time 2016/09/02

2016.09.02:セレスの氷の火山やクレーターが物語る過去


Ceres’ lonely mountain, Ahuna Mons, is seen in this simulated perspective view. The elevation has been exaggerated by a factor of two. The view was made using enhanced-color images from NASA’s Dawn mission.
Credits: NASA/JPL-Caltech/UCLA/MPS/DLR/IDA/PSI

このシミュレーション透視図に見える山は、セレスの孤高の山アウナ山です。高さを実際の2倍にしています。この画像は、NASAのドーンのミッションの画像をカラー処理して作成しています。

訳者注

この記事は25行8,734文字におよぶ長文のため、いったんは画像と動画はそのまま掲載し、冒頭以外の記事については要約で掲載いたします。

ちなみに、画像はコンピュータ処理されたイメージ画像で、実写したものではありません。


オリジナル記事:Ceres’ Geological Activity, Ice Revealed in New Research

A lonely 3-mile-high (5-kilometer-high) mountain on Ceres is likely volcanic in origin, and the dwarf planet may have a weak, temporary atmosphere. These are just two of many new insights about Ceres from NASA’s Dawn mission published this week in six papers in the journal Science.

3マイル(5キロ)の高さを誇るセレスの孤高の山は、元は火山であったことから、準惑星は一時的に薄い大気を持っていたかもしれません。NASAのドーンミッションでセレスについて2つの新発見があり、今週のサイエンス誌に6ページわたり掲載しました。

“Dawn has revealed that Ceres is a diverse world that clearly had geological activity in its recent past,” said Chris Russell, principal investigator of the Dawn mission, based at the University of California, Los Angeles.

「セレスが、ごく最近まで活発な地殻活動をしていたことの明確な証拠を、ドーンの観測から明らかにしました。」と、ロサンゼルスのカリフォルニア大学を拠点にているドーンミッションの主任研究者のクリス・ラッセルは述べています。

一時的に存在した薄い大気

ドーンに搭載しているガンマ線と中性子(グランド)検出器(GRaND)がmセレスの薄い大気の存在の証拠となるデータを観測していたことが分かりました。

太陽風とセレスの大気の相互作用で説明できる現象を6日間にわたり観測していたのです。

このことは、2012年から2013年にかけてハーシェル宇宙望遠鏡で観測された、セレスから観測された水蒸気と考えられているものと一致します。

The small, bright crater Oxo (6 miles, 10 kilometers wide) on Ceres is seen in this perspective view. The elevation has been exaggerated by a factor of two. The view was made using enhanced-color images from NASA's Dawn mission. Credits: NASA/JPL-Caltech/UCLA/MPS/DLR/IDA/PSI Full image and caption

The small, bright crater Oxo (6 miles, 10 kilometers wide) on Ceres is seen in this perspective view. The elevation has been exaggerated by a factor of two. The view was made using enhanced-color images from NASA’s Dawn mission.
Credits: NASA/JPL-Caltech/UCLA/MPS/DLR/IDA/PSI
Full image and caption

セレスにある小さく明るいクレーターのオキソ(6マイル、10キロ幅)が、斜めからみた図に示されています。高さを2倍に拡大されています。この画像は、NASAのドーンののミッションの画像をカラー処理して作成しています。

氷の山であるアウナ山

科学者たちの分析によるとアウナ山は、他の太陽系でみられる山と違い、火山ドームであると考えられます。

火山といっても、一般的に理解されている火山とは違い、珪酸塩、水などの揮発性物質の液体を噴出する氷の火山です。

詳細については、以下の動画を参照してください。

Analysis of images from NASA’s Dawn mission reveals that dwarf planet Ceres hosts an unexpectedly young cryovolcano that formed with the past billion years.
Credits: NASA Goddard/Katrina Jackson, Producer/Dawn mission

NASAのドーンミッションの画像の解析により、準惑星セレスには過去10億年の間に形成された予想外に若い氷の火山があることが分かりました。

過去アウナ山では、液体の水を噴出させていたかもしれませんが、ドーンの観測装置では、オキソクレーターで水の氷を検出しています。

ごくまれではあるにしても、セレスの地表に水の氷があったことと、アウナ山の存在から、セレスの地殻の下には、膨大な量の水と氷があることを示唆しているのだと考えられます。

クレーターが物語ること

セレス地表にある様々な形状のクレーターがあります。

特に、多角形のような直線で構成されたようになっているクレーターは、セレスの複雑な過去の地殻変動の歴史を物語ります。

オキソクレーターのように小さなクレーターにはテラスのようなものができていて、ウルバラクレーター(106マイル、170キロ幅)のように巨大なクレーターでは、中央に丘のような盛り上がりがあります。

クレーターが重なったようになっているものもあれば、小さなクレーターが鎖でつながれたようになっているところもあります。オッカトルクレーターのように、明るく輝くクレーターもセレスに幾つか存在しています。また、多くのクレーターでは、地下に水の氷の存在が考えられます。

またセレスの南半球では、巨大なクレーターが幾つかあるのですが、北半球では比較的小さなクレーターがたくさん存在しています。

こうしたクレーターの存在の偏りは、セレスの地殻活動が、きわめて複雑な経緯をたどったことを物語っていると考えられます。

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